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世界のソフトウェア技術者たちは、いま幾ら稼いでいるのか?

ITニュース

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ハイテク従事者のための求職プラットフォームを提供しているHiredの、データサイエンスチームが、新しい研究を発表した。そこにはサンフランシスコ在住のソフトウェア技術者の収入が、米国の他の都市や世界のそれに比べて高いにも関わらず、生活が段々苦しくなっている様子が示されている。

 

28,000件のインタビュー要求と、Hiredプラットフォーム上で5000社以上の企業から4万5000人の求職者に提供された仕事に基き、Hiredのデータチームはベイエリアのソフトウェア技術者の平均年収は、13万4000ドル(2月10日時点で約1500万円)であると算出した。これは国内のどのソフトウェア技術者よりも高額だ。これに続くのがシアトルで、エンジニアに対し平均で12万6000ドルを支払っている。ボストン、オースティン、ロスアンゼルス、ニューヨーク、およびワシントンD.C.を含む他のハイテクハブでは、ソフトウェア技術者たちは、平均11万ドルから12万ドルの年収を受け取っている。

しかし高額のサラリーが、「シリコンバレー」や特にサンフランシスコの、驚愕すべき額の家賃や、高騰する生活費に対して十分かと言えば早計だ。実際、HiredのリードデータサイエンティストであるJessica Kirkpatrickによれば、生活費を加味すると、今やサンフランシスコはソフトウェア技術者たちにとって、最も賃金の安い場所の1つなのである。彼女の分析によれば、オースティンの技術者の平均年収である11万ドルは、テキサスの広大な州都での使い勝手を考えると、ベイエリアの技術者に換算して19万8000ドルに相当する。同様のことはオーストラリアのメルボルンでも成り立つ。ここではソフトウェア技術者は相対的に低額の10万7000ドルを受け取っているが、サンフランシスコでの給与に換算すると15万ドルに相当する。

実際に、Hiredによれば、サンフランシスコ以外のマーケットの「求人候補の多く」が、移住候補者を引き寄せ雇用しているということだ。Kirkpatrickによれば、オースティンでは、求人の60%はテキサス州外の人びとによって満たされている。

(新しい都市に移住しようとする候補者たちは、多くの場合、地元の候補者たちよりも(Hiredによれば)給与が高くなるということにも留意すべきだ。特に、ヨーロッパ、カナダ、そしてアジア市場でこれは顕著で、驚くべきことに非地元候補者たちは、地元候補者たちに比べて、57%も高い収入を得ることができる場合があるのだ)。

 

偏見がもたらす給与差

Hiredの研究では、16の主要都市におけるデータサイエンティストやプロダクトマネージャーの給与とその時系列に沿った変遷といった、他のデータも探求されている。しかし、私たちの強い興味を惹くのは、給与や雇用慣行に対する偏見の影響に焦点を当てた、また別のセクションだ。これはHiredがおよそ1年前から、求職候補者から集め始めたボランタリーなデモグラフィックデータで、候補者の属性が求める給与と、受け取った給与にどのように影響しているかを分析したものだ。

もちろん、偏見は目新しい話ではない。実際、求人サイトであるIndeed.comによって火曜日にリリースされた調査結果によれば、ハイテク分野における米国の労働者の4分の1は、人種、性別、年齢、宗教、性的嗜好に基づく差別を感じていると述べている。女性回答者の約29%が差別を経験したと述べているが、男性回答者の場合は21%である。一方、白人従業員の22%が差別を感じているのに対し、アジア人と非白人の従業員は32%が差別されたと述べている。

Hiredの新しい調査が明らかにしたのは、偏見が日常の出来事だけでなく、給与にも反映されているということだ。そのデータによれば、例えば、黒人のソフトウェア開発者たちがエンジニアリングロールに応募して11万5000ドルを受け取るのに対して、同レベルの経験を持つ白人候補者たちの場合は12万5000ドルを受け取っている。

ラテン系とアジア系のソフトウェア技術者たちでも、平均してこの数字は白人に比べて少し低い。平均してそれぞれ12万ドル、12万2500ドルとなっている。

また若い候補者も、熟練候補者よりは低額になる傾向があるが、年齢に対する給与のピークは45歳で、その先は低下が始まっている。特に、Hiredプラットフォーム上では、25歳から30歳の求職候補者は、平均して10万2000ドルを得ることになることに対し、45歳の求職者は14万ドルを得ることになる。しかし、50歳から60歳の間の候補者の場合、給与は13万ドルへと低下する。

「その理由の一部は、(高齢の従業員は)旧式の技術に対して訓練を受け専門化しているからですが…」とKirkpatrickは語る。「しかし同じような職種を探す場合でも、この傾向は同様なのです」。45歳を超えた技術者たちは、加齢に対する対価を支払うことになる。

1つ興味深い捻れが観察されている。雇用する企業は多様性の価値に気が付つつあるようなのだ。すなわち、黒人候補者は白人候補者よりも明らかに低い給与を受けるものの、プラットフォーム上では黒人候補者の人気は高く、白人候補者よりも高い確率で雇用されるのだ。

Hiredによれば、残念ながら、ラテン系やアジア系候補に対しては、これは成り立っていない。

 

jp.techcrunch.com